BtoB企業の採用動画戦略|「おもしろ動画」ができない会社こそ、伝えるべきコンテンツとは?

BtoB企業の採用動画戦略|「おもしろ動画」ができない会社こそ、伝えるべきコンテンツとは?
「採用のためにSNSや動画を活用したい。」
そう考えるBtoB企業が増えています。
しかし、ここで一つの壁にぶつかります。
「うちはBtoB企業だから、あまりおもしろい動画は出せない。」
「取引先も見ているので、社員がふざけている動画はちょっと……。」
「TikTokのようなノリは、会社の信用を落としそう。」
これは、決して間違った考えではありません。
建設業、製造業、設備工事、IT、専門商社など、企業間取引を中心とするBtoB企業では、SNSや動画も「採用だけのもの」ではありません。
取引先、金融機関、地域社会、求職者、そして社員の家族など、さまざまな人が会社の情報を見ています。
だからこそ、BtoB企業の採用動画には、BtoC企業とは違う戦略が必要です。
結論から言えば、BtoB企業の採用動画は「おもしろさ」ではなく「興味と信頼」をつくることが重要です。
では、具体的に何を発信すればよいのでしょうか。
1.採用動画=「おもしろ動画」ではない
採用動画というと、SNSでよく見かけるような、
- 社員が踊る
- 社長にドッキリを仕掛ける
- 「○○やってみた」
- 社員同士のゲーム
- 流行の音源を使ったネタ動画
などをイメージする人もいるかもしれません。
確かに、こうした動画はSNSで注目を集めやすいというメリットがあります。
しかし、すべての企業に必要なわけではありません。
特にBtoB企業では、
「再生数は増えたけれど、会社としての信用はどうなのか?」
という問題が起こる可能性があります。
採用のために発信した動画を、取引先の社長が見ているかもしれません。
金融機関の担当者が見ているかもしれません。
既存顧客が見ているかもしれません。
そのため、BtoB企業では「目立つこと」だけを目的にした動画よりも、
「この会社、なんか良さそうだな」
と思ってもらえる動画のほうが重要です。
2.BtoB企業の採用で伝えるべきなのは「会社の雰囲気」
では、求職者は何を知りたいのでしょうか。
求人票に書かれている、
「年間休日○日」
「福利厚生充実」
「資格取得支援制度あり」
「未経験歓迎」
といった情報だけではありません。
実際に働くことを考えたとき、求職者が知りたいのは、
「この会社で働いたら、どんな毎日になるのか?」
ということです。
しかし、これは文章だけではなかなか伝わりません。
そこで動画が力を発揮します。
例えば、
「朝、社員はどんな雰囲気で出社しているのか」
「現場ではどんな会話をしているのか」
「昼休みはどんな過ごし方をしているのか」
「新人に先輩がどう教えているのか」
「仕事が終わった後、社員はどんな表情をしているのか」
こうした何気ない場面に、その会社らしさが表れます。
派手な企画をしなくてもいい。
むしろ、普段の会社の姿を丁寧に見せることが、BtoB企業の採用動画では強いコンテンツになります。
3.「社員紹介」は最も作りやすい採用コンテンツ
BtoB企業におすすめしたいのが、社員紹介動画です。
例えば、
「入社3年目の社員に聞いてみた」
という企画です。
質問も難しくありません。
- なぜこの会社を選びましたか?
- 入社前はどんなイメージでしたか?
- 実際に入社してどうでしたか?
- 一番大変だった仕事は?
- 仕事で嬉しかった瞬間は?
- どんな人と一緒に働きたいですか?
- 5年後、どうなっていたいですか?
これだけでも十分な動画になります。
重要なのは、社員に「会社の良いところを宣伝してください」と言わないこと。
むしろ、
「あなた自身の言葉で話してください」
と伝えることです。
多少言葉につまってもいい。
完璧なコメントでなくてもいい。
そのほうがリアリティが生まれます。
求職者が知りたいのは、会社案内に書かれたきれいな言葉ではありません。
「実際に働いている人は、どう感じているのか?」
なのです。
4.「仕事密着」はBtoB企業と相性がいい
もう一つおすすめなのが、社員の仕事に密着する動画です。
例えば製造業なら、
「製造スタッフの一日」
「営業社員の一日」
「品質管理担当の仕事」
「若手社員が初めて担当した仕事」
などです。
建設業なら、
「現場監督の一日」
「入社2年目の現場に密着」
「施工管理って何をしている?」
といったコンテンツが考えられます。
専門的な仕事ほど、外から見ると仕事内容が分かりません。
しかし、それは逆に言えば、
「知られていない=動画で伝える価値が高い」
ということです。
「こんな仕事をしている会社だったんだ。」
「思っていたより面白そう。」
「こういう仕事なら自分にもできるかもしれない。」
そんな発見を生み出すことができます。
5.「社長の想い」はBtoB企業だからこそ重要
採用では、社長の存在も大きなコンテンツになります。
特に中小企業の場合、求職者にとって、
「この会社の社長はどんな人なのか?」
は非常に重要な情報です。
例えば、
「なぜこの会社をつくったのか?」
「会社をこれからどうしていきたいのか?」
「社員にどんな働き方をしてほしいのか?」
「10年後、会社をどうしたいのか?」
といったテーマです。
ここでも、難しい会社紹介をする必要はありません。
社長がカメラに向かって、
「私は、この会社をこんな会社にしたいと思っています。」
と話すだけでもいい。
それだけで会社の「顔」が見えてきます。
そして、社長の考え方に共感する人が応募してくれれば、採用後のミスマッチも減らせます。
6.「社員の成長ストーリー」は採用に強い
BtoB企業には、長く働いている社員が多い会社もあります。
これは採用コンテンツとして大きな資産です。
例えば、
「入社10年。何もできなかった新人が、今では後輩を育てる立場に。」
というストーリー。
あるいは、
「未経験で入社した社員が、資格を取得して現場のリーダーになるまで。」
こうしたストーリーは、求人票では伝えにくい情報です。
しかし動画なら、
入社
↓
新人時代
↓
失敗
↓
成長
↓
現在
という物語として見せることができます。
求職者が知りたいのは、
「この会社に入ったら、自分はどう成長できるのか?」
ということ。
社員の成長ストーリーは、その答えになります。
7.「仕事のこだわり」を見せる
BtoB企業には、一般の人には知られていない「すごい仕事」がたくさんあります。
例えば製造業なら、
「この部品は何に使われているのか?」
「どれくらいの精度で加工しているのか?」
「なぜこの技術が必要なのか?」
「どんな工夫をして製品を作っているのか?」
などです。
専門的な内容でも、動画で分かりやすく紹介すれば立派な採用コンテンツになります。
そして、ここには採用だけではないメリットがあります。
会社の技術や仕事へのこだわりを発信することで、既存顧客や取引先から見てもプラスになるからです。
つまり、
採用動画=採用だけの動画
にする必要はありません。
「会社の魅力を伝える動画」にすれば、採用・営業・ブランディングのすべてに活用できます。
8.BtoB企業は「採用」と「営業」を分けすぎない
ここが、BtoB企業の動画戦略で特に重要なポイントです。
採用のために作った動画でも、
「この会社は何をしているのか」
「どんな技術があるのか」
「どんな人が働いているのか」
「どんな価値を提供しているのか」
が伝われば、営業にも使えます。
逆に営業目的で作った動画でも、
「こんな会社で働いてみたい」
と思ってもらえる可能性があります。
つまり、
採用と営業の間には、実は大きな共通点があります。
それは、
「会社を知らない人に、会社の魅力を伝えること」
です。
だからこそ、BtoB企業の動画は「採用専用」「営業専用」と細かく分けるのではなく、企業ブランディングの一環として考えることができます。
9.「おもしろくない」のではなく「おもしろさの種類」が違う
ここで一つ考え方を変えてみましょう。
「うちはおもしろ動画ができない。」
ではなく、
「うちのおもしろさは、笑わせることではない。」
と考えてみてください。
例えば、
「この会社、社員同士の仲が良いな。」
「この社長、面白い考え方をしているな。」
「この技術、すごいな。」
「この仕事、意外と面白そうだな。」
「こんな人たちと働いてみたいな。」
これも立派な「おもしろさ」です。
SNSでバズることだけが、動画の価値ではありません。
100万回再生される必要もありません。
採用動画で本当に欲しいのは、
「この会社、ちょっと気になる」
と思ってくれる一人です。
そして、その一人が求人ページを見て、会社を調べ、応募してくれれば、動画には十分な価値があります。
10.BtoB企業の採用動画は「信頼×興味」で考える
BtoB企業の採用動画を設計するときは、
信頼 × 興味
の2つを意識すると分かりやすくなります。
信頼をつくるコンテンツは、
- 社長メッセージ
- 技術紹介
- 仕事へのこだわり
- 会社の歴史
- 社員インタビュー
- 仕事風景
です。
一方、興味をつくるコンテンツは、
- 社員の日常
- 若手社員の本音
- 仕事の裏側
- 意外な仕事内容
- 「実は○○な会社」
- 社員の成長ストーリー
などです。
ここに少しだけユーモアを加える。
これなら「おふざけ動画」にしなくても、十分に見てもらえるコンテンツになります。
11.最初から「バズ」を狙わない
採用動画でよくある失敗が、
「とにかく再生数を伸ばそう」
と考えてしまうことです。
しかし、採用において重要なのは再生数だけではありません。
10万回再生されても、応募につながらなければ採用動画としては成功とは言えません。
逆に、3,000回しか再生されていなくても、その動画を見た求職者が応募してくれたなら、大きな価値があります。
だからこそBtoB企業では、
「誰に見てほしいのか?」
を先に決めることが重要です。
例えば、
「製造業に興味がある20代」
「地元で働きたい若手」
「ものづくりが好きな人」
「施工管理を目指している人」
などです。
ターゲットが明確になれば、動画の内容も自然に決まってきます。
12.BtoB企業の採用動画は「会社の日常」をコンテンツ化する
ここまで紹介してきた内容をまとめると、BtoB企業には次のような動画がおすすめです。
社員を見せる
- 若手社員インタビュー
- 社員の一日
- 新人社員密着
- ベテラン社員インタビュー
仕事を見せる
- 現場密着
- 製造工程
- 仕事の裏側
- 仕事のこだわり
会社を見せる
- 社長メッセージ
- オフィス・工場紹介
- 社内イベント
- 福利厚生紹介
未来を見せる
- 社員のキャリア
- 会社の未来
- 新しい事業
- これから挑戦したいこと
これらは、どれも「おふざけ動画」ではありません。
しかし、会社のことを知らない人にとっては、十分に興味深いコンテンツです。
まとめ|BtoB企業の採用動画は「笑わせる」より「知ってもらう」
BtoB企業だから、おもしろ動画はできない。
それなら、無理にやる必要はありません。
採用動画の目的は、必ずしも「笑わせること」ではないからです。
大切なのは、
会社を知ってもらう。
社員を知ってもらう。
仕事を知ってもらう。
社長の想いを知ってもらう。
そして、
「この会社で働いてみたい」と思ってもらう。
そのために動画を使うことです。
特にBtoB企業では、採用動画を単なる「求人広告の動画」と考えるのではなく、
「会社そのものを伝えるコンテンツ」
として考えることをおすすめします。
おもしろ動画を作らなくても、採用はできます。
むしろ、BtoB企業だからこそ、
「信頼される会社であること」と「働きたいと思われる会社であること」
を同時に伝えられる動画戦略が重要なのです。
VideoRiseでは、BtoB企業の採用・ブランディングを目的とした動画コンテンツの企画・制作をサポートしています。
「SNSで何を発信したらいいのか分からない」
「おもしろ動画はできないけれど、採用には動画を活用したい」
「採用だけでなく、営業や企業ブランディングにも動画を活用したい」
そんな企業にこそ、動画を活用する余地があります。
まずは、現在の採用課題と会社の魅力を整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。





