YouTubeショートで使う音楽の著作権はどうなってる?違反した場合は?
YouTubeショートで動画を作成する際、音楽は視聴者を惹きつける重要な要素です。
しかし、使用する楽曲が著作権に保護されている場合、収益化が制限されたり、最悪の場合動画が削除されたりするリスクがあります。では、YouTubeショートでどのように音楽を使えば安心して収益化を目指せるのでしょうか?
本記事では、YouTubeショートで音楽を利用する際の著作権の基本、収益化のルール、違反をしてしまったときの対処法なども合わせて詳しく解説します。
目次
YouTubeショートについて
YouTubeショート(YouTube Shorts)は、2020年に導入された短尺動画機能です。TikTokやInstagramリールに対抗する形で登場しました。
15~60秒の縦型動画をスマートフォンで簡単に撮影・編集できる「ショートカメラ」を備え、エフェクトや音楽の追加が可能です。
特に、YouTubeが提供する著作権処理済みの音楽ライブラリを活用できる点が魅力です。ショート動画は専用のフィードで無限スクロール形式で配信され、新規視聴者にリーチしやすいといえます。
また、「ショートファンド」などが提供され、クリエイターにとって新たな収益化の機会として注目されています。
YouTubeショートでの音楽利用における著作権の基本
そもそも著作権とは何か
著作権とは、創作された作品に対して、その作者が持つ権利を保護する法律上の仕組みです。
音楽や文章、映像、絵画などの創造的な作品が無断で使用されることを防ぎ、作者の権利を守るために設けられています。
著作権を持つ作者は、自分の作品をどう利用するかをコントロールする権利を持ち、第三者が許可なくその作品を使用することを制限できます。
特筆すべきは、著作権は作品が創作された時点で自動的に発生し、特別な登録や手続きは不要であるという点です。すべてのクリエイターがその権利を即座に保有し、自身の作品を適切に保護できます。
音楽における著作権の適用範囲
音楽において著作権が発生する範囲は、次のとおりです。
・楽曲そのもの
・歌詞
・編曲
・ 録音物
・パフォーマンス
著作権は音楽においてさまざまな要素に適用されます。
まず、楽曲そのものはメロディやリズム、和音構成が対象となり、一部分を使用しても特徴的な部分であれば侵害に該当する可能性があります。
歌詞も独立した著作物として保護され、翻訳や改変にも権利者の許可が必要です。また、既存の楽曲にアレンジを加える編曲にも新たな著作権が発生します。
録音物には「原盤権」があり、特定の録音バージョンを利用する際には、著作権とは別にこの権利の許可が求められます。
さらに演奏や歌唱などの「実演権」も保護対象となるため、ライブ音源の使用にも注意が必要です。これらの権利は個別に存在するため、楽曲利用時には権利者の確認と許可が重要です。
YouTubeショートで利用可能な音楽の種類
YouTubeショートで利用可能な音楽の種類は、次のとおりです。
・YouTubeオーディオライブラリ
・ショート専用の音楽ライブラリ
・自作またはライセンス購入した楽曲
それぞれを詳しく解説します。
YouTubeオーディオライブラリ
YouTubeオーディオライブラリは、YouTubeが提供する無料の音楽ライブラリで、クリエイターが動画の背景音楽や効果音として自由に利用できる便利なツールです。
YouTubeオーディオライブラリにはさまざまなジャンルやムードに合わせた楽曲や効果音が収録されており、動画制作をより魅力的にする素材を簡単に見つけられます。
商用利用も許可されているため、収益化を目的とした動画にも活用可能です。
ただし、一部の楽曲にはクレジット表記が求められる場合があり、その条件を守る必要があるので注意してください。
ショート専用の音楽ライブラリ
ショート専用の音楽ライブラリは、YouTubeショート向けに特別に用意された楽曲が集められたコレクションです。
このライブラリでは、YouTubeが著作権処理を完了した楽曲を簡単に使用できるため、クリエイターは著作権リスクを気にすることなく動画制作に集中できます。
流行のポップソングをはじめ、多ジャンルの楽曲が含まれており、幅広いコンテンツに対応可能です。
しかし、ショート専用の音楽ライブラリに入っている楽曲は、YouTubeショート限定で使用が認められており、他のプラットフォームでの利用や動画を商業的に再利用することは制限されています。そのため、動画の制作・公開に際しては、この利用条件をしっかり理解しておくことが重要です。
自作またはライセンス購入した楽曲
YouTubeショートでは、自作の音楽や外部の音楽ライセンスサービスから購入した楽曲を使用することも可能です。
自分で作成した楽曲は著作権の問題が発生しないため、完全に自由な使用が可能で、独自性の高いコンテンツを作るのに適しています。
一方、ArtlistやEpidemic Soundなどの音楽ライセンスサービスから購入した楽曲も利用できますが、これらの楽曲はYouTubeのライセンスとは無関係です。そのため、サービスごとに異なる使用条件や制限をしっかりと確認し、それを遵守する必要があります。
たとえば、あるプラットフォームでは個人利用に制限されていたり、商業目的での利用に追加費用が必要な場合もあります。YouTubeショートの音楽機能を活用することで、クリエイターは動画の魅力を高めることができますが、著作権リスクを回避するために利用条件を慎重に確認しましょう。
著作権ありの音楽でも収益化できる?
著作権ありの音楽を使用した場合、収益化できるのかどうか解説します。
著作権ありの音楽でも収益化は可能
著作権のある音楽を使用しても、YouTubeショートでは収益化を進めることが可能です。
視聴者にとって音楽はショート動画の魅力を高める重要な要素であり、特に人気の楽曲を適切に使用することで、動画の再生回数を増やし、チャンネルの成長を後押しできます。
ただし、収益化を成功させるためには、楽曲使用時の条件やルールをしっかりと理解し、守ることが必要です。
収益分配について
YouTubeショートで著作権のある音楽を使用する場合、広告収益の分配には特定のルールが設けられています。
ショート動画で得られる広告収益は、音楽ライセンス料を差し引いた後、残りの収益がクリエイターに分配される仕組みです。
例えば1曲使用した場合、収益の50%が音楽ライセンス料として差し引かれ、残りの50%がクリエイターに分配されます。2曲使用した場合は、音楽ライセンス料が66%に増え、クリエイターの受け取り分は33%になります。
使用する音楽の数が増えると、クリエイターが受け取る収益の割合が減少する点に注意しましょう。
YouTubeショートの音楽で著作権違反するリスク
YouTubeショートの音楽で著作権違反した場合のリスクは次のとおりです。
・収益化が制限される
・動画の削除
・法的処置
それぞれを詳しく解説します。
収益化が制限される
YouTubeでは、著作権者が「Content ID」を通じて楽曲を管理しており、著作権のある楽曲を無断で使用した場合、広告収益は著作権者に全額割り当てられる仕組みを採用されています。
このため、クリエイターが動画の再生回数を伸ばして広告収益が発生したとしても、その収益を得ることはできません。
違反が検出された場合、YouTubeはクリエイターに通知を送りますが、この時点で収益の権利はすべて著作権者に移行しているので注意しましょう。
動画の削除
著作権者が申し立てを行った場合、YouTubeは著作権保護の観点から該当する動画を削除する措置を取ることがあります。
これにより、その動画は視聴者がアクセスできなくなり、クリエイターにとって大きな損失です。単に動画が削除されるだけでなく、チャンネルの信頼性や評価にも影響を及ぼします。
また、著作権違反が確認されると、著作権ストライクが付与され、チャンネル運営に制約がかかるリスクも生じます。
法的処置のリスク
悪質な著作権違反が行われた場合、著作権者がYouTubeを介さずに直接法的措置を取る可能性もあります。
法的措置が取られると、クリエイターは弁護士費用や裁判費用などの追加的な負担を抱えるだけでなく、場合によっては損害賠償金を支払う義務が生じることもあります。
また、裁判で不利な判決が下されると、クリエイターの信用や活動自体にも深刻なダメージを与えます。
著作権違反してしまった場合の対処法
著作権違反してしまった場合の対処法は次のとおりです。
・違反内容を確認する
・異議申し立てを行う
・問題のあるコンテンツを修正する
・動画の削除を検討する
・法的助言を求める
それぞれを詳しく解説します。
違反内容を確認する
YouTubeから著作権違反の通知を受け取った場合、最初に行うべきことは通知内容を詳細に確認することです。
通知内容には、申し立ての理由(音楽、映像、画像など)、違反部分のタイムスタンプ、そして提起された制裁措置(収益化の制限、動画の削除など)が記載されています。これを確認し、どのような対応を取るべきかを冷静に判断しましょう。
異議申し立てを行う
異議申し立ては、YouTubeからの著作権違反の指摘が誤りである場合や、実際には適切な許可を得ているにもかかわらず違反の通知を受けた場合に利用できる重要な手続きです。
このプロセスを通じて、クリエイターは自身の正当性を主張し、誤った申し立てを取り下げてもらうことを目指します。
ただし、異議申し立てをする際には、申し立てが誤りである具体的な根拠や自分が適切なライセンスや許可を持っている証拠を明確に提示する必要があります。この証拠が不十分であったり、虚偽の情報に基づいている場合、申し立てが却下されるだけでなく、さらに深刻なペナルティを受ける可能性もあるため注意が必要です。
著作権者が異議を認めた場合、申し立ては取り下げられ、動画の収益化や公開が復旧します。
問題のあるコンテンツを修正する
著作権違反が確認された場合、動画内で問題となった楽曲や映像を削除したり、差し替えたりすることで、迅速に問題を解決する必要があります。
YouTubeが提供する「動画編集ツール」を活用することで、特定のセクションの音声を無音にしたり、適切な著作権フリーの音楽に差し替えたりすることが可能です。
こうした修正対応は、著作権者とのさらなる摩擦を防ぐだけでなく、チャンネルの信頼性を守るためにも重要です。
動画の削除を検討する
著作権違反が指摘された場合、状況によっては該当する動画を非公開にする、または完全に削除することが最善の対応策となることもあります。
例えば違反の内容が重大である場合や、修正が難しい場合には、動画を完全に削除することが適切です。削除することで、著作権者との対立が深刻化するリスクを回避し、チャンネル全体への悪影響を最小限に抑えられます。
動画削除は一時的な損失を伴うものの、チャンネルの信頼性を保ち、長期的な運営を続けるための賢明な選択です。
法的助言を求める
著作権違反が深刻な状況に発展した場合は、弁護士などの法的専門家に相談しましょう。
例えば著作権者から高額な損害賠償請求を受けている場合は、弁護士を通じて直接著作権者と交渉を行うことで、双方が納得できる解決に至る可能性も高まります。
著作権問題は複雑であり、専門的な対応が求められる場合が多いため、法的助言を求めることはリスクを最小限に抑える重要なステップです。
おすすめの著作権フリーで使える音楽サイト
おすすめの著作権フリーで使える音楽を配布しているサイトを紹介します。
DOVA-SYNDROME
DOVA-SYNDROMEは、2009年に作曲家の稿屋隆氏によって開設された日本の音楽素材サイトです。2024年現在、約17,000曲のBGM・ジングルと約1,300の効果音を無料で提供しています。
多彩なジャンルの楽曲が揃っており、動画の雰囲気に合ったBGMを見つけやすいのが特徴で、商用利用やYouTubeでの使用も可能です。
基本的に著作権表示は不要ですが、作曲者が別途利用条件を設けている場合もあるため、各音源の利用条件を確認しましょう。
甘茶の音楽工房
甘茶の音楽工房は、作曲家・甘茶氏が趣味で制作したオリジナル楽曲を無料で提供する日本のフリー音楽素材サイトです。2009年に開設され、ウェブサイト、映像作品、ゲームなど多岐にわたる用途で利用されています。
サイト内では、「明るい」「悲しい」などのイメージや、オーケストラ、ジャズなどのジャンルから楽曲を検索でき、動画の雰囲気に合ったBGMを見つけやすいのが特徴です。
商用・非商用を問わず、すべての楽曲を無料で使用でき、クレジット表記も不要です。ただし、楽曲の販売や二次配布は禁止されており、作曲者を偽る行為も禁じられています。また、楽曲を使用した作品をJASRACなどの著作権管理団体に登録することも禁止されています。
魔王魂
魔王魂は、効果音からボーカル曲まで1,000点以上の音楽素材を提供する日本のサイトで、ポップ、ロック、テクノ、民族音楽など幅広いジャンルの楽曲が揃っています。
商用利用やYouTubeでの使用も可能で、基本的に著作権表示が必要です。
ただし、楽曲の販売や二次配布、著作権を偽る行為などは禁止されています。詳細な利用規約は公式サイトで確認してください。
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